ベンツ点検後に起こる不可解な異常

レポート
故 Duke Ishikawa 氏レポートより

さらに、氏のSL500のトラブルは、これだけで収まっていない。
帰りは航空機を利用する事を決めた氏はSL500を台北の代理店に預ける。

ボルト損傷が発覚したのはその時。ところが氏のSL500は、返却される迄に何と一ヶ月を要している。
「何のために?」 誰でも当然のこととして、不審がる筈。 加えて台北では、氏が済む台湾南部は遠すぎる。
その為「途中の宣蘭県の代理店へSL500を移した」しかし、その宣蘭県でも氏の自宅からは車で2時間の走行が必要になる。 つまり時間のロスが大きすぎる。
ところが氏の前に立ちはだかる障壁は距離だけでなくいことが判明する。
それは、氏に言わせれば「代理店そして修理工場として、余りにもいい加減な対応」が連続。そればかりか、異なる代理店で似たようなことが連発したことだ。
氏は厳しい口調で、さらに付け加える。 「他県の代理店に持ち込んだのは、花蓮県の代理店が信用できなくなったためでした。しかし、宣蘭の代理店も輪をかけてお粗末でした。

「何度か整備のために出している間に、メインコンピューターが停止する。一方でバッテリー液が漏れ出すトラブルまで起こった。それが宣蘭の代理店でした」と氏。 ある年の夏のことだった。
外気が社内の冷房も効かないほどに暑い日だったと言う。

「暑さによる怠さもあり。いつもより遅い速度で運転していました。
結果的には、それが幸運だったのですが、何と坂道を登り切り、直線に出たところで車がガクッと、総て固まったようになって止まってしまったのです」 類似する例として、氏は線路上で大きな貨物列車が「ガッチャン」と音を立てて動きを止める姿を説明した。
「それと同じように、私が運転していた車が、ハンドル、ブレーキ、車輪などのすべてが一瞬にして止まった」 それにしても幸運だったこと、それは猛暑による気怠さもあり、この時氏は「時速40キロほどで」ゆっくり走行していたことだ。
すぐさま代理店に連絡し、レッカーを呼ぶ。 ところが代理店は「もう一度台北の代理店に運び、そこでの点検を」主張する。
この時点で氏の代理店に対する信頼はゼロに落ちている。 そればかりか自分の身も危険なので、レッカー車で運び込んでいる。
ここでまた不可思議なことが起こる。請求書の額が「何だ!これは?」と、我が目を疑う程の内容だったことだ。

この部分に関し、日本のトップメーカーに勤務する技術者が、匿名を条件に裏付け取材に応じてくれ、次のように解説している。 メインコンピューターの停止を、人間に置き換えると、心肺停止状態ですよ!
パワーステアリングもブレーキも効かなくなり、エンジンは停まる。

低速だったから助かったものの或る一定以上の高速で走っていたなら、車は吹っ飛び氏の生命はこの時九分九厘奪われていた筈!と、真顔で怖がって見せた。
専門的な知識を持つからこそ、この部分のマシントラブルに、そこまでの恐怖を感じることになる。
もう一度運転中にバッテリーの機能に急停止したことがある。

このトラブルとそれによって引き起こされる結果としての事故に関しても、前出の整備士が説明する。
「時速百キロの走行中に、このトラブルが発生したなら、それは死に至る事故発生と同類と言えます」
何故ならコントロールを完全に失うからです。

コメント